具体的な銘柄候補とポートフォリオ構成例

このセクションでは、選定基準を満たす具体的な銘柄候補と、その銘柄を用いたモデルポートフォリオの構成例を紹介します。

具体的な銘柄候補

以下は、前述の選定基準を満たす日本の高配当・低ボラティリティ銘柄の候補例です。3つのグループに分けて紹介します。

連続増配・高配当銘柄

これらの銘柄は長期にわたって安定した増配を続けており、配当の成長性と安定性を兼ね備えています。

連続増配・高配当銘柄

銘柄コード

銘柄名

予想配当利回り

連続増配年数

ベータ値

セクター

4205

日本ゼオン

4.68%

15年

0.47

化学

8593

三菱HCキャピタル

3.97%

26年

0.44

リース

8424

芙蓉総合リース

3.89%

20年

0.48

リース

4206

アイカ工業

3.70%

16年

0.42

化学

7164

全国保証

3.53%

9年+

0.38

金融サービス

低ボラティリティ・高配当電力・公益株

電力・公益株は特に低ボラティリティが特徴で、市場の変動に対して安定した値動きを示す傾向があります。

低ボラティリティ・高配当電力・公益株

銘柄コード

銘柄名

予想配当利回り

ベータ値

セクター

9508

九州電力

4.04%

0.25

電力・ガス

9513

電源開発(J-POWER)

4.02%

0.32

電力・ガス

9502

中部電力

3.69%

0.30

電力・ガス

9503

関西電力

3.71%

0.34

電力・ガス

安定業績・高配当企業

これらの銘柄は業績の安定性が特徴で、長期的な成長と高配当を両立しています。

安定業績・高配当企業

銘柄コード

銘柄名

予想配当利回り

ベータ値

業績安定性

セクター

2733

あらた

3.25%

0.41

9期連続増収

卸売

8804

東京建物

3.84%

0.48

8期連続増収

不動産

2163

アルトナー

4.52%

0.45

10期連続増収

サービス

2498

オリエンタルコンサルタンツHD

4.06%

0.39

4期連続増収

コンサルティング

ポートフォリオ構築と資産配分

モデルポートフォリオの構成例

以下に、シャープレシオを最適化するための資産配分モデルを提案します:

コア・ポートフォリオ(60%)

連続増配実績を持つ低ボラティリティ高配当銘柄をポートフォリオの中核に据えます:

  • 三菱HCキャピタル(15%)

  • 日本ゼオン(15%)

  • アイカ工業(15%)

  • 芙蓉総合リース(15%)

電力・公益セクター(20%)

超低ボラティリティかつ高配当銘柄を安定性確保のために組み入れます:

  • 電源開発(10%)

  • 中部電力(10%)

成長要素(20%)

安定した増配と業績成長が期待できる銘柄を成長性確保のために組み入れます:

  • アルトナー(10%)

  • 全国保証(10%)

このポートフォリオの特徴

  • 平均予想配当利回り: 約4.0%

  • 平均ベータ値: 約0.42(市場の約42%の価格変動)

  • セクター分散: リース、化学、電力・ガス、金融サービス、サービスに分散

連続増配・高配当銘柄の年間シャープレシオ推移

連続増配・高配当銘柄の年間シャープレシオ推移

リバランス戦略

効果的なポートフォリオ管理のために、以下のリバランス戦略を採用します:

  1. 定期リバランス: 年1回の定期リバランスを実施(各銘柄の配当権利確定後が望ましい)

  2. トリガー式リバランス:

    • 個別銘柄の比率が当初配分から±7%以上乖離した場合

    • ポートフォリオ全体のベータ値が0.5を超えた場合

    • 予想配当利回りが3.0%を下回った場合

  3. 増配停止時の対応: 連続増配が途切れた銘柄は次回リバランス時に入れ替えを検討